[LT-TC1] iOSやAndroidスマートフォンで使用できますか?
LT-TC1は、Type-C端子を装備するFiiO製品と、そのほかの製品のOTG接続を目的として企画設計されています。FiiO製品だけでしか使えないと言うことはなく、一般的にはUSB Audio Class 2.0などの標準USBオーディオ出力に対応した機器と、USBDACとの接続に使用できます。しかし、様々な理由により、使用できるかどうかは組み合わせに強く左右されます。
方向性について
LT-TC1にはケーブルを接続するべき方向性があります。これはOTG動作を実現するための結線やプルアップ抵抗が装備されているからで、各機器をケーブルに挿す方向を間違うと使用できません。これについては製品情報に記載がございますので、ご留意下さいますようお願い致します。
給電について
またOTG規格に沿って作られている関係で、ホストからクライアントに対して給電動作が行われます。例えばスマートフォンとUSBDACの接続にLT-TC1を使用すると、スマートフォンからUSBDACに給電が行われるので、スマートフォンのバッテリーの減りが早まります。これは仕様です。
USBDACの要求電力が、スマートフォンの電力供給能力を上回ると、デバイスが認識されなかったり、接続と切断を繰り返したりという症状が発生することがあったり、音声にノイズが混入する場合があります。このような状態になったときには「使用に適さない組み合わせだった」とご認識いただき、使用を控えて下さい。特にバッテリー内蔵のUSBDACについては、駆動電力の他にバッテリー充電用の電力を要求するので、使えないケースが多いのが実情です。
LT-TC1は、USB2.0用ケーブルとして作られており、E-MAKERが搭載されておりません。そのためスマートフォンなどがUSB Power Deliveryに対応していていも、それを生かした給電がホストからクライアントには行えない可能性が高いと考えられます。
以上のことから、 メーカー並びに代理店でも全ての事象を把握し回答することは出来ない事情がございます。 ご利用の組み合わせに対して動作可否に不安がある場合は、全国の販売店に展開されますデモ品を試用するなどして、事前にお試し頂くことをお勧め致します。
補足
FiiO製品の一部機種には、設定で内蔵バッテリーへの充電を一時的に止める機能を持っています。これらの機器と組み合わせて使う場合には、バッテリーへの充電を停止すると、スマートフォンの駆動時間を延ばすことが出来たり、安定動作を見込めます。例として、BTRシリーズなどがFiiO Musicの「Bluetoothデバイスコントロール」より設定できます。
Androidでの使用
Androidについては、市場に存在するデバイスのすべてが標準USBオーディオ出力をサポートするわけではないことと、ファームウェアバージョンなどによって動作仕様が定まらないため、原則としては実際にやってみて初めて可否が判明するものとお考え下さい。
iOSでの使用
代理店で現在動作確認が取れる検証環境が限られているため、可否についてお答えが出来ない場合がある状況になっております。おそらく動作する見込みがありますが、使用する予定のUSBDACの消費電力と、Type-C端子を使用するそれぞれの機種の電力供給能力に左右されることが想定されます。
Type-C端子を装備するiOSでUSBDACを使用したい場合には、LT-TC1を用いるのではなく、アダプタを介して電力供給が可能である、Apple純正のType-C toアダプタ を用いた上で、各デバイスとの接続端子にあったUSBケーブルを別途用意された方がよい場合が考えられます。
2021年に発売されたType-C端子を備えるM1プロセッサ搭載のiPadで使用する場合、iPadOS 14.6の時点ではスタッター(数秒ごとに音が不規則に途切れる症状)が現れる可能性があります。FiiO製のみならず複数のUSBDAC機器全般で症状が現れること、LT-TC1以外のType-Cケーブルを用いても生じる場合があることから、iPadOSバージョンに起因する一時的な状況ではないかと想定されていますが、運用回避方法があり、このとき 何らかのUSBハブを介して接続いただくとスタッターが解消される例があることが確認されています。ただし確実に解消されるかどうかはわからないため、ご留意下さいますようお願い申し上げます。